「原爆体験記」と「戦争中の暮らしの記録」

  • 2019.08.14 Wednesday
  • 11:25

 

私は戦後生まれだけど、でも 今の若者たちと比べれば、子供のころ 戦争の記憶が まだまだ 身近にあったと思う。そして自分の中にある私なりの「戦争の記憶」のベースになるのが この2冊の本と、小学校5年生の時にあった 小さな出来事。

 

小さな出来事というのは、「身近な人の戦争の体験を聞いて 作文を書く」という 小学校5年生の時の 夏休みの宿題。当時住んでいた父の会社の社宅の同じ棟に 広島で被爆体験のあるという おばさんがいた。お喋りで 朗らかで 面倒見のよい方だった。このおばさんなら きっと 色々話を聞かせてくれるだろうと、お宅を訪ね 依頼の主旨を伝えたところ、おばさんは 固くこわばった表情で「申し訳ないけど、あのことは 思い出したくない。話せない。」といって ドアを閉めてしまった。普段朗らかなおばさんがみせた 固い拒絶の表情に、その体験の凄惨さを子供心に理解したような気がする。

 

そして この2冊の本。

 

「原爆体験記」は 戦後まもなく被爆者たちから寄せられた手記で構成されている。CHQの介入で 出版時期が延期されたという。これを読んだのは 中一の夏休みで 一気に読み終え 感情が高ぶったまま やはり夏休みの宿題であった 読書感想文の題材とし、想いをぶちまけるように 一気に書き上げてしまった。自慢話めいて 恐縮だけど、確か 読書感想文コンクールに入賞したと思う。最近 その文章が掲載された学校の文集をみつけ、読んでみたが、荒けずりではあるが 力強く ほとばしる感情があふれでる 多分私が今まで書いた文章の中で 一番迫力のあるものであったと思う。この本は 一昨年だったか 再度購入して 本棚のどこかにあるはず。探し出してきて 子供たちの目のつくところにおいておこう。

 

もう一冊は 暮らしの手帳編 「戦争中の暮らしの記録」。一般の人々による 戦争中の暮らしについての手記135編で構成されている。この本は 何度も何度も繰り返し読んだ。子供であった私には 同じ子供たちの 「ひもじさ」に関するエピソード、例えば、お菓子など手に入らず、絵の上手な同級生にせがんでケーキの絵を描いてもらい、皆で眺めていた話などが 疑似体験したかが如く、私の中に刷り込まれている。この本は 実家にあるはずであるが、我が家にも一冊おいておこうと 先ほどアマゾンで注文したところである。

 

両書とも 製作者の意図するストーリーが 恣意的に反映されることのない「体験記」だからこそ、ストレートに訴えかけてくるのであろう。この2冊の本を企画編集し、世に送り出した関係者の皆様に 感謝し敬意を示し、この先の世代に読み継がれていくよう私も努力をしたいと思う。

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